ハステロイをTIG溶接する方法についての基礎知識

ハステロイをTIG溶接する方法についての基礎知識

或るお客様よりハステロイの溶接が出来るかとの問い合わせがありました。

或るお客様よりハステロイの溶接が出来るかとの問い合わせがありました。

弊社では、あるお客様からハステロイの板をTIG溶接する依頼を受けました。当初、経験があるため問題ないと判断し、材料を預かって2度のテストを行いました。しかし、厚みの違いやコーナーでの突き合わせ溶接により、完全な裏波が必要だということがわかり、結果は芳しくありませんでした。

お客様には申し訳ないことをしてしまいました。ただ、このままでは終われないため、現物をお見せできない形状の代わりに、同じ板厚で継ぎ手形状を再現したsus304の写真を用いて、同様の手順で説明していきます。

  • 継ぎ手形状

    継ぎ手形状

    画像を見ていただければ分かるように、板厚に違いがあります。また、継ぎ手形状はコーナー部の突合せとなっています。この場合、コーナーのエッジを極力残すか、溶接棒で肉盛して仕上げ時にエッジを出すように溶接する必要があります

  • 仕上げ

    仕上げ

    このように、コーナー部の突合せについては、コーナーのエッジを極力残すか、溶接棒で肉盛して仕上げ時にエッジを出すように溶接することで、外観はきれいに仕上げることができます。

裏波の確認

裏波の確認

お客様が希望されていたのは、写真では見にくいですがこのような感じでした。今回の反省点は、経験があるからと簡単に引き受けてしまったこと、同じ材質、同じ板厚、同じ継ぎ手形状でテストしなかったことだと思います。ただし、材質は違いますが板厚、継ぎ手形状を再現し、データは取れたので、次は大丈夫だと思います。驕りがあった訳ではありませんが、しっかりシミュレーションしてから着手したいと思います。

今回良かったことは、シールドに関する設備、技術、スキルが使えると感じたことでした。

反省を踏まえて、量産に戻ります。

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