展示会シーズンも終了いたしましたので、弊社で使用している溶接に係わる機器のテストを実施していき、その内容を記事にしていこうと考えております。通常業務で使用している機器ですので、加工以来の案件を処理しながらの投稿になると思います。暫くの間はタングステン電極の研磨機についてテスト、改良を行いたいと思っています。
以前のタングステン電極の研磨
サンダー用のスタンドを製作して固定し電極はドリルのチャックに固定し双方を回転させながら研磨します。メリットは安上がりで換えのダイアモンド砥石も安価で入手しやすいです。電極のセンターも出やすく均等に研磨できます。溶接棒を接触させて電極の先端に団子が出来てもそこを集中して研磨できますので再研磨も早いです。
デメリットはサンダーの回転が速く重量が無いのでスタンドがサンダーの振動で移動してしまいます。研磨角度も気分しだいなので常に同じではないです。ダイアモンド砥石との摩擦熱が発生しやすいので気をつけないと電極が酸化して変色します。砥石に近い場所を指で挟み電極のブレを押さえますので危険です。市販されているダイアモンド砥石は粒度#200がメインなのでそれ以外は選択不可能です。下の写真は研磨中の雰囲気を撮影したものです。
専用のタングステン電極研磨機
こちらが弊社で使用している電極研磨機でアメリカのDGP社の製品で、Piranha IIIと言うモデルです。オプトレルの自動遮光面とウエルドクラフトのTIGトーチ等で有名な東京のラメール株式会社様が輸入販売されていた製品です。他にPiranha IIと言うモデルも合わせて輸入販売されていましたが現在はカタログから除外されています。
大きさは日本製の展示会で見かける製品と比較しますとかなり大きいです。価格も高く、コンパクトなタイプのPiranha IIと言うモデルのほうが良いかもしれません。
こちらのメリットは筐体も大きく重量も17kg以上ありますので運転中も機械が振動で動くことは有りません。砥石の回転も低速なのでタングステン電極の摩擦熱による酸化も有りません。専用の電極ホルダを使用しますので非常に短くなった電極も研磨が可能です。角度も任意に設定できますので決めた角度で毎回、研磨可能です。粒度が#150,#300,#600から選択可能です。
デメリットは溶接棒を接触させて電極の先端に団子が出来てしまうと研磨に非常に長い時間掛かります。研磨を急いで無理に研磨すると砥石の寿命が極端に短くなります。その為弊社では団子を取り除くときは先に紹介したサンダーで処理します。電極のホルダーの精度が悪いので電極のセンターが出ずほぼ100%均等な研磨が出来ません。(今後弊社では精度の高いホルダーを製作する予定です)最後に砥石が片面しか使用できず、価格も日本国内の製品と比較しますと2倍以上高いです。弊社では満足して使用しておりますが(ホルダ以外は)Piranha IIがコンパクトながらしっかりした作りなのでお勧めです。
皆様からのリクエストが多ければ取り扱いの再開も考えておられるようです。
電極ホルダは新たに製作する予定ですがDGP社のPiranhaシリーズは作りも重厚で良い製品です。皆様もご興味がおありでしたらラメール株式会社様にご連絡してみてください。
暫くは、通常の溶接業務と平行して弊社製品の追加機能や新たに気付いたメリットのまとめ、弊社で使用しているツールのテスト、改良の記事を投稿します。
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