現車のフレーム
修理箇所です
赤いマジックで囲んでいる場所が今回の修理箇所です。クラックは見えにくいですが長さ25mmくらいあります。材質がチタンで3つのパーツが絡んでいるためバックシールドも3系統必要になります。2箇所は弊社の汎用バックシールド治具で対応可能だったのですが、1箇所はシールドガスを供給可能な大きな開口もありませんでしたので、M4ビスの穴を流用してシールドガスを供給することに決めました。下記の写真が弊社で使用したツールです。
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HIPURGE 3Module
弊社で普段使用しているHIPURGE(ハイパージ) 3Moduleです。しかし、今回はバックシールドガスの供給が3系統必要な為、工夫が必要です。
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HIPURGE 2ModuleとHIPURGE-E
そこで、HIPURGE 2Module と HIPURGE-E(エントリー)を3Moduleに接続してバックシールドガスを3系統に供給を可能にしました。
パイプ用汎用バックシールド治具
パイプ内にシールドガスを供給する治具です。ディスクの交換で様々なパイプ径に対応可能ですのですがディスクのサイズはパイプサイズを測定し製作する必要があります。パイプ内の空気を攪拌する事無くシールドガスに置換することが可能で溶接部裏面に直接シールドガスを当てることが可能なツールです。
配管及び治具の装着
シートチューブ、ボトムブラケットハンガーにはパイプ用汎用バックシールド治具が使用出来たのですが、ダウンチューブはM4のビス穴が2箇所あるだけでした。仕方なくΦ3mmのチューブを溶接箇所手前まで入れることにしました。シートチューブ、ボトムブラケットハンガーにセットしたシールド治具は流量を気にすることはありませんが、ダウンチューブに入れたΦ3mmのチューブは、流量を極端に落とさないとシールドガスを供給してもダウンチューブ内の空気と撹拌される為シールドが出来ません。そこでHIPURGE 3ModuleにHIPURGE 2ModuleとHIPURGE-E(エントリー)を接続し強引に5Module化しました。これで3系統のバックシールドガスの流量を其々確実にコントロールする事が可能になり溶接修理も無事、終了しました。
完了写真
材質がチタンなので、バックシールドは必須なのですが、肝心のバックシールドガスを複数の場所に流量をコントロールしながら供給する準備が大変でした。今後は、複数モジュール化を簡単に設定可能にする装置を準備していきます。
重複しているものもありますが今回撮影した写真載せて起きます。
画像一覧
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